1日目はこちら。
さて、2 日目。 サンタを乗せた宇宙船は無事発射されたようだ。現在はどうも月からスイングバイしているところとのこと。 ところがどっこい何かアラームが鳴り響いているようだ。うーん。怖い。
https://adventofcode.com/2019/day/2
2 日目: 1202 Program Alarm
1 問目: コンピュータを作ろう!
管制センターのエルフによれば、俺は予備のスペアパーツで新しいコンピュータを作らなければならないらしい。
この「コンピュータ」で動かすプログラムはカンマ区切りの整数値で書かれている。
1,9,10,3,2,3,11,0,99,30,40,50
このプログラムは左から順番に読んでいき、命令が順番に書かれている。
まずは制御コードが 3 種類あり、1
, 2
, 99
のいずれかだ。
99
はプログラム終了で、1
が加算、2
が乗算だ。
1
, 2
は制御コードと続く3 つの数字でひつの命令になる。
具体的には、制御コードの次の数字と2番目の数字で表される数字の数(わかりにくいなこれ)を加算または乗算して
3番目の数字で表される数字をそれに置き換える。
わかりにくいので具体例を示すと次の通りになる。
1,9,10,3,2,3,11,0,99,30,40,50
まず、最初の文字は 1
なので、 1,9,10,3
で一つの命令となる。
続く 9,10
は、「このプログラムの9番目の数字、つまり30」と「このプログラムの10番目の数字、つまり40」の意味。
3
が置き換え先なので、「このプログラムを3番目の数字を 30 + 40 = 70
にする」。
つまり、このプログラムの最初の命令を処理すると、プログラム自体がこうなる。
1,9,10,70,2,3,11,0,99,30,40,50
・・・という風にプログラムを処理するコンピュータ自体を、これから作っていくわけです。
幸いにもテスト用のプログラムと動かすとどのようになるかが問題文中に含まれているので、 まずはテスト用のファイルを用意して、昨日と同じようにこれらをただ出力するプログラムを書いて見ます。
1,0,0,0,99
2,3,0,3,99
2,4,4,5,99,0
1,1,1,4,99,5,6,0,99
#! /usr/bin/env ruby
def run(program)
return program
end
program = ""
while l = gets
program = l.strip.split(",").map(&:to_i)
end
result = run(program)
p result.join(",")
ちょっとただ出力するだけと見せかけて、 strip
で改行文字を外して、split
で配列化して map(&:to_i)
で全て Integer にしています。
実行してみると以下の通り。
cat test.txt | ./ans1.rb
"1,0,0,0,99"
"2,3,0,3,99"
"2,4,4,5,99,0"
"1,1,1,4,99,5,6,0,99"
続いて、プログラムの実行部分である、 run
メソッドの内容を書いていきましょう。
一見すると、すごく難しそうに見えますが、少しずつ実装していけば思った以上に簡単に作れます。
今回は数値の列を順番に処理していくわけですから、ループで処理することはすぐに思いつくと思います。
ruby なので program.each{|i| ... }
としたくなりますが、今回の「プログラム」はプログラム自身を書き換えていくので、
まずは無限ループを作って、配列の要素を一つずつみることにします。
def run(program)
pos = 0
while 1
# program[pos] をごにょごにょする。
end
end
次に制御コードによる分岐を作って行きます。
「プログラム」、つまり配列の要素の最初は制御コードになっているはずです。
というわけで、 case
文で分岐を書きましょう。ひとまず 99
のプログラム終了と、定義外の制御コードによるエラーを実装します。
OP_ADD = 1
OP_MULTI = 2
OP_HALT = 99
def run(program)
pos = 0
while 1
case program[pos]
when OP_HALT
return program
when OP_ADD
# 加算処理書く
when OP_MULTI
# 乗算処理書く
else
# 謎の制御コードはエラーにする
STDERR.puts "UNKWOWN OPERATION"
exit -1
end
end
end
続いて加算を書いて行きましょう。 まず、制御コードの次の数字、2番目の数字、3番目の数字をそれぞれ取り出しましょう。
i, j, o = program[pos+1], program[pos+2], program[pos+3]
後は、 i
, j
がさ示す数を足して、結果を o
が指し示す場所に保存するだけです。
・・・というわけでこんなコードになります。
program[o] = program[i] + program[j]
最後に、pos
を「制御コード、次の数字、2番目の数字、3番目の数字」の次、つまり 4 つ進めれば加算部分は完成です。
when OP_ADD
i, j, o = program[pos+1], program[pos+2], program[pos+3]
program[o] = program[i] + program[j]
pos = pos + 4
乗算もおんなじ感じに実装すると、全体像はこんな感じです。
#! /usr/bin/env ruby
OP_ADD = 1
OP_MULTI = 2
OP_HALT = 99
def run(program)
pos = 0
while 1
case program[pos]
when OP_HALT
return program
when OP_ADD
i, j, o = program[pos+1], program[pos+2], program[pos+3]
program[o] = program[i] + program[j]
pos = pos + 4
when OP_MULTI
i, j, o = program[pos+1], program[pos+2], program[pos+3]
program[o] = program[i] * program[j]
pos = pos + 4
else
STDERR.puts "UNKWOWN OPERATION"
exit -1
end
end
end
program = ""
while l = gets
program = l.strip.split(",").map(&:to_i)
end
result = run(program)
p result.join(",")
ね! 簡単でしょ!
こいつを動かして見て、テストプログラムが動くか確認しましょう。
cat test.txt | ./ans1.rb
"2,0,0,0,99"
"2,3,0,6,99"
"2,4,4,5,99,9801"
"30,1,1,4,2,5,6,0,99"
と、まぁ、きちんと動いているのがわかるので、後は本番です。
Day1 と同じように、ユーザごとに「プログラム」が違うので、まずはそれをダウンロードして
input.txt
とか名前をつけて保存しましょう。
そして、問題文の指示通り、2番目、3番目の数を書き換えてプログラムを実行し、 その最初の数を算出すればオッケーです!
2 問目: アラートの原因はなんだったのか。
さて、地上のエルフ氏が言うにはこの「コンピュータ」の最初の数字が プログラムの出力になり、1番目と2番目の数字がプログラムへの入力となるようです。
そして、出力が 19690720 となる入力の組み合わせを見つけることで、宇宙船のアラートが止められるとのことです。
そんなわけで、プログラムを修正して行きましょう。
まず、入力のペアを走査するプログラムを作ります。
(0..99).each do |n|
(0..99).each do |v|
end
end
そして、 run
メソッドを n
, v
を取れるように改造します。
また、第一引数の program
の渡し方を修正します。この「プログラム」は実行中に各種数値がどんどん変わっていくので、
そのまま渡さず Array.dup
を使いコピーを渡すことにします。
最後に、 run
メソッドの返り値を「プログラム」の出力に変更します。
- def run(program)
+ def run(program, n, v)
pos = 0
+ program[1] = n
+ program[2] = v
while 1
case program[pos]
when OP_HALT
- return program
+ return program[0]
when OP_ADD
i, j, o = program[pos+1], program[pos+2], program[pos+3]
program[o] = program[i] + program[j]
pos = pos + 4
when OP_MULTI
i, j, o = program[pos+1], program[pos+2], program[pos+3]
program[o] = program[i] * program[j]
pos = pos + 4
else
STDERR.puts "UNKWOWN OPERATION"
exit -1
end
end
end
(0..99).each do |n|
(0..99).each do |v|
+ result = run(program.dup, n, v)
end
end
最後に、ターゲットとなる 19690720
と「プログラム」の出力が一致する n, v
の組み合わせを見つけておしまいです!
#! /usr/bin/env ruby
OP_ADD = 1
OP_MULTI = 2
OP_HALT = 99
def run(program, n, v)
pos = 0
program[1] = n
program[2] = v
while 1
case program[pos]
when OP_HALT
return program[0]
when OP_ADD
i, j, o = program[pos+1], program[pos+2], program[pos+3]
program[o] = program[i] + program[j]
pos = pos + 4
when OP_MULTI
i, j, o = program[pos+1], program[pos+2], program[pos+3]
program[o] = program[i] * program[j]
pos = pos + 4
else
STDERR.puts "UNKWOWN OPERATION"
exit -1
end
end
end
while l = gets
program = l.strip.split(",").map(&:to_i)
end
target = 19690720
(0..99).each do |n|
(0..99).each do |v|
result = run(program.dup, n, v)
if result == target
puts 100 * n + v
exit
end
end
end
STDERR.puts "NOT FOUND"